マンション管理士がなぜ必要なのでしょうか?
 全国400万戸、1,000万人が暮らすマンションでありながら、ある意味では行政の範囲外の治外法権的立場にあります。

 マンション内は、管理組合による自治組織と言う事で、管理規約が法律であるわけですが、その法律が守られていなかったり、極端な例では、その法律がない無法地帯のマンションも見受けられます。

 昭和40年代に建築されたマンション群が、築30年を超え「老朽化」を向かえようとしているこの時代に、行政が直接規制するのではなく、「マンション管理士」という国家資格者が各マンションの組織と構造物の実情を把握して、「延命措置」をするのか「建替え」するのか各区分所有者が判断するための助言をする事により、社会問題化しつつある「マンションのスラム化」を食い止めようとしています。
 平成20年には、築30年を越えるマンションが100万戸の時代に入ります。

 21世紀に入り、マンションに対する各種法律が成立したり改正されたりしています。
 マンション管理適正化法によるマンション管理士制度の発足、区分所有法の大改正、マンションの建替えの円滑化法の成立といったものです。

 なぜこのときに大きくマンション問題がクローズアップされてきたか、マンションと人間とを比較してみるとその実態がよく理解できます。

 マンションも人間の体と同じように日常の維持管理を適正に行なえば寿命を延ばすことも可能です、更に人間と違って体の再生も一部可能です。
 人間であればその方個人の意思により維持管理できますがマンションの場合は区分所有者の意思の統一がなければうまく機能しません。
 そのためには、維持管理のルール作りが必要になります。
 そのルールが、「マンション管理規約」です。

 この管理規約が無かったり、現在の制度に適合せずうまく機能していない場合は、「自律神経失調」に陥り、果ては「マンションのスラム化」に拍車をかけることになります。

 マンション管理士は、このようなマンションの管理組合や区分所有者の方に対して、適正な管理の状態になれるよう助言します。

 内部の区分所有者の方には困難な状況打破を「マンション管理士」にご依頼ください。

 改革の第一歩は「管理規約」の作成や見直しから出発です。

マンションと人間の寿命の比較

マンション 人間 症状分析
平均寿命 40年前後 80歳前後 マンションの寿命を一応人間の半分と想定できます。
青少年期 10歳 20歳 青少年時代は身体作りに大事な時期です。
中年前期 20歳 40歳 不摂生する事による体の衰えや不具合が出始めます。日頃の管理によって個人差が大きく出ます。
中年期 25歳 50歳 過度な喫煙飲酒や不摂生によって体がぼろぼろの状態のものもあれば、健康管理により青年に負けない体力を維持しているものもいるといった具合に個人差がはっきりします。
中年後期 30歳 60歳 定年による人生の節目を向かえます。楽しい老後を向かえるか、病院通いをするのかは中年前期の節制次第です。
老年前期 35歳 70歳 体が健康であれば、もう飛んだり跳ねたりはできませんが、ゆっくりと生活すれば快適な人生を送れます。
老年後期 40歳 80歳  人間の場合、これから先は、神の思し召しでしょう。
 マンションの場合は、もう一度若さを取り戻す事も可能です。寿命を延ばすことができるわけです。
 骨格を変えることは簡単ではありませんが、血管(上下水道の配管)や神経(電気系統)皮膚(外壁内壁)関節(エレベータその他の設備)等を計画的に交換していけば、ヨーロッパのような100年200年マンションも夢ではありません。

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