宅建業って何?
●定義

1.宅建業と不動産業は違うの?

俗に言う「不動産業」とは正式名称ではありません。正式には、「宅地建物取引業」と言います。それではなぜ、不動産業ではいけないのでしょうか? 

不動産業を規制している法律に「宅地建物取引業法」が有ります。

この法律では、不動産業すべてを規制しているわけではなく、不動産取引の内

宅地(土地ではありません)、建物を売ったり買ったり、貸借のあっせんを何回も繰り返しますと、宅地建物取引業に該当し免許がないと罰せられます。

土地の取引をすべて規制するわけではなく、わざわざ「宅地」としたわけは、そもそも商取引は自由に行われるのが一番自然であり取引を活発にする基本です。

昨今、規制緩和が叫ばれている事を思えば当然のことでしょう。

ただ、土地取引の場合は「土地の権利関係や法令上の制限」が複雑で一般の人には理解できにくいシステムになっています。その法律を悪用して、はびこる悪徳業者という面々を規制して、一般消費者を保護するために、「宅地建物取引業法」では土地の内「宅地」だけを規制の対象にしているわけです。一般消費者が関係有るのは、「マイホーム」の範囲内の物件に限られますから。

ただ、普通言う「宅地」と業法で言う「宅地」とでは範囲が異なりますが、内容が複雑になりますので、宅地の定義については割愛します。

それでは、免許が無くてもできる不動産業が有るかという問に対しては、「有ります」と言えます。例えば、土地や建物の賃貸借をする場合(俗に言う大家さん)。用途地域(都市計画)以外の土地で宅地でない土地(田、畑、山林等)を取引対象にする場合等が考えられますが、一般的ではありませんね。ですから、通常の範囲で言う「不動産業」を開業したい場合は免許(都道府県知事)が必要になるわけです。


●免許

2.宅建業は誰でも開業できるの、素人でもできる?

過去に悪いことをして、宅建業の免許を取り消されたり、他の罪で服役したりした人は5年間は、免許申請できませんが「宅地建物取引業法第5条免許の基準」、普通の状態の人で有れば、誰でも免許申請ができます。財産的基準等はありません。

どんな方が宅建業に向いているか?

1.会社や役所を定年退職したが、今更、第二の就職はしたくない方。

 自宅の近所に照準を合わせ、転勤族の中古住宅の管理や、転売等を専門にあつかったらどうでしょう。同じサラリーマンを経験したことで転勤時の諸問題についてアドバイスできます。長年の会社人間としての実績と信用が大いに役に立ちます。

2.家庭の主婦だけど、ばりばり営業をやってみたいという方。

 マンションやアパートの賃貸借の斡旋を専門に扱ったり、中古マンションの売買の斡旋等が良いでしょう。家庭の主婦としての立場からアドバイスできます。
 アメリカ合衆国では宅建業のセールスの80〜90%は女性であり、その中では主婦が中心で、社会的地位も高いと言われています。

3.サラリーマンに向いてないと思っていた方で自分の半生を反省している方。

 サラリーマンに向いていないと思っている方で、その原因の大半が自分にあることに気が付いたら、その方は宅建業でも成功可能です。
 しかし、自分が出世できないのは、他のみんなが悪いと思っていたら、サラリーマンを続けた方がよいと思います。
 自営業は困難の連続を覚悟しなければなりません。

 以上のように、不動産業に関する経験は必ずしも必要ではありませんが、ただ、専門的な法律の知識は必要になりますから、まず、「宅地建物取引主任者」の資格試験に挑戦してください。


●資格

3.宅建業を開業するのに必要なものは?

 前記免許の基準の中に宅地建物取引主任者が従事する者の5人に1以上に割合で事務所に専任として必要です。
 ただ、業者が主任者で有ればその者を専任の主任者とすることができますから、まず、「宅地建物取引主任者」の資格を取得することから開始してください。     

資格試験の詳細はこちら・・・

勿論、宅地建物取引主任者を雇えば同じ事ですが。


●資金

4.開業資金はどのくらいかかるの?

 都道府県により多少違いますが、「200万円前後」だと思います。 

 業法では、営業保証金を最低1千万円供託しなければならないことになっていますが、宅建業保証協会に加入すれば60万円の保証金分担金で済みます。

 保証金以外にも取引業協会に加入するための入会金(一種ののれん代)等が必要になり、合計200万円程度必要になります。

 自宅の一室を事務所にあてればほかに必要有りません。

 他の、業種に比較して非常に少額で済むのが特徴です。


●物件

5.不動産の物件はどうしたら見つかるの?

 開業はしてみたが、物件がない、と言うことが一番の心配だと思いますが、以前と違い現在は、「取引業協会」に加入する会員は自分が注文を受けた物件を「指定流通機構」に登録しなければならないことになっており、その物件は、他の会員も利用できます。
 開業したその日から店頭に不動産の物件を掲示することが可能です。 

 後は、自分の特徴を生かして、売り物件を探せば、買い手は他の業者が見つけてくれます。

 売り物件は、売らなければならない事情がありますので、正確な情報の可能性がありますが(他の業者等の物件は物件の調査も必要ですが最も重要なことは話を持ってきた人の人間性です)、買い情報は話が遠い場合が多いです。
 買いたいという希望がでても資金の問題や他の物件との比較や、更に占いの結果等まで関係する場合があります。


●業展望

6.21世紀の宅建業はどうなるの?

 日本の社会がどうなっていくかによりますが、土地に関する各種規制が強化されていくか、緩和されていくかによって土地取引の形態が変わってきます。
 土地建物を財産として考えるか、耐久消費財として考えるかによって道は別れていくと思います。 

 みなさんも考えてみてください。