マンションの長期修繕計画について

大規模改修 ある日突然マンションを管理している管理会社から、外壁の亀裂やタイルの剥離の補修をしないと危険ですという連絡が管理組合に入ったとします。
 急きょ開かれた理事会で検討した結果、補修やむなしの結論が出ました。
 問題は、その補修に要する資金をどうするかと言う事です。
 管理組合には僅かな積立金しか残っていなかったのです。

 工事をしなければ危険ですし、工事をするには資金が不足すると言うことは各区分所有者に一時金の負担をしてもらわなければなりません。 その金額が1戸当たり100万円と言う事になったら・・・  これは実例です。

 マンションにとって大規模改修は、ある意味では宿命です。

 より良いマンションライフを過ごすためには、長期的な計画がどうしても必要です。

   *修繕積立金の見直しグラフ資料
 長期修繕計画は、5年程度で見直しをしながら積立金等の算定をし直します。
 マンションが建築されて5年、10年、20年という節目に適切な維持管理がなされておれば、ある程度大規模改修の予定も出ますからその備えをする事も可能です。

 日常の手入れを適切に行なっていれば一時的に資金が要るような大規模改修をしなくても良かったかもしれません。



 このように、マンションの維持管理は直接区分所有者の方々に負担を強いるものです。
 マンションには、建物の耐用年数と同時にその設備関係の耐用年数も良く把握する必要があります。 排水管の寿命は、給水設備は、エレベータでも30年経過すればソロソロ問題です。 しっかりした長期修繕計画を立てることによる快適なマンション生活の確立を実現してください。

 マンション管理士は、皆様のマンションに合った長期修繕計画の立案のお手伝いをいたします。

マンションと人間の寿命の比較

マンション 人間 症状分析
平均寿命 40年前後 80歳前後 マンションの寿命を一応人間の半分と想定できます。
青少年期 10歳 20歳 青少年時代は身体作りに大事な時期です。
中年前期 20歳 40歳 不摂生する事による体の衰えや不具合が出始めます。日頃の管理によって個人差が大きく出ます。
中年期 25歳 50歳 過度な喫煙飲酒や不摂生によって体がぼろぼろの状態のものもあれば、健康管理により青年に負けない体力を維持しているものもいるといった具合に個人差がはっきりします。
中年後期 30歳 60歳 定年による人生の節目を向かえます。楽しい老後を向かえるか、病院通いをするのかは中年前期の節制次第です。
老年前期 35歳 70歳 体が健康であれば、もう飛んだり跳ねたりはできませんが、ゆっくりと生活すれば快適な人生を送れます。
老年後期 40歳 80歳  人間の場合、これから先は、神の思し召しでしょう。
 マンションの場合は、もう一度若さを取り戻す事も可能です。寿命を延ばすことができるわけです。
 骨格を変えることは簡単ではありませんが、血管(上下水道の配管)や神経(電気系統)皮膚(外壁内壁)関節(エレベータその他の設備)等を計画的に交換していけば、ヨーロッパのような100年200年マンションも夢ではありません。
技術評論社の「マンション管理士を目指そう」という本にこの比較表が掲載されました。
平成18年4月15日発売